建設業許可 Q&A


Q:建設業許可が必要な工事とは?

A:軽微な工事ではない場合は必要になります。また、軽微な工事は建設業許可がなくても請け負うことができます。

 

※軽微な工事とは

・建築一式工事以外の工事で1件の請負金額が税込500万円未満の工事

 

・建築一式工事の場合で1件の請負金額が税込1500万円未満の工事

 又は、150㎡未満の木造住宅の工事(2分の1以上が居住に供されるもの)

 

※ 注文者が材料を支給する場合には、請負代金に支給材料の市場価格(運送賃含む)を加えた額で判断します。

 

Q:一般建設業と特定建設業の違いは?

A:発注者から直接請負う場合(元請となる場合)で一つの工事について、下請け工事の発注金額が総額4500万円以上(建築一式工事は7000万円以上)になる場合は特定建設業許可が必要になります。

 

次に、元請でも一つの工事について、下請け工事の発注金額が総額4500万円未満(建築一式工事は7000万円未満)になる場合は一般建設業許可でもかまいません。

また請負工事のすべてが下請けの場合は、一般建設業許可でかまいません。

※上記金額は、消費税を含む額となります。

 

 

Q:知事許可と大臣許可の違いは?

A:2以上の都道府県に営業所を設けて営業しようとする場合は、国土交通大臣許可が必要となます。次に、一つの都道府県のみに営業所を設けて営業しようとする場合は、都道府県知事許可が必要となります。

 

例えば、営業所が宮城県と福島県にある場合は、大臣許可が必要です。

宮城県内のみに営業所がある場合は、宮城県知事許可が必要となります。

※営業所の数ではなく、営業所の管轄都道府県の数を基準としています。

 

Q:建設業種の建築一式工事と土木一式工事について教えて?

A:建設業の種類は、29業種に分類されています。特に、建築一式工事と土木一式工事は『 総合的な企画・指導・調整のもとに対象物を建設する工事 』であり、原則的に総合管理(マネージメント)する立場、いわゆる元請工事を担う事業者向けとされています。

 

一式工事の許可ですべての建設業種がオールマイティに出来るわけではないのでご注意ください。

 

※一式工事業を取得していても、他の専門工事を自社で施行する場合は、その専門工事許可が必要となります。

 

Q:経営業務の管理責任者( 経 管 )とは?

A:経営業務の管理責任者とは、常勤役員等であり営業取引上、対外的に責任を有する地位にある者で、建設業の経営業務について総合的に管理した経験を有する者です。

 

※常勤役員等⇒法人の場合は常勤の役員、個人の場合はその者又は支配人となります。(常勤性が必要)

  

Q:専任技術者( 専 技 )とは?

A:請負契約の適正な締結や工事の履行を技術面から確保する為に、常時その営業所に勤務する者をいい『営業所の技術者』となります。

専任技術者は、許可を受けようとする建設工事に関して、一定の資格取得者や経験技術者であることが求められます。

 

Q:建設業許可で求められる必要な自己資金等はいくら?

A:一般建設業許可の場合は自己資本が500万円以上であること。又は、500万円以上の資金調達能力のあることとなります。

 

特定建設業許可の場合は、

法人新規設立の場合で資本金の額が4000万円以上必要となります。

 

・法人新規設立以外の場合は、

①欠損の額が資本金の20%を超えないこと。

②流動比率が75%以上であること。

③資本金が2000万円以上であること。

④自己資本が4000万円以上であること。

  

※①~④のすべてに該当することが必要になります。 

 

Q:申請時に必ずお支払いする費用(法定費用)はいくら?

A:大臣許可の場合、新規申請で15万円。知事許可の場合、新規申請で9万円の申請手数料がかかります。

更新申請、業種追加申請は5万円の申請手数料がかかります。

 

Q:申請してから許可がでるまでの期間はどのくらい?

A:知事許可で新規申請の許可については、申請受理後おおむね35日の期間を要します。

 

大臣許可は、申請受理後おおむね90日程度を目安とされています。

 

Q:申請すれば必ず建設業『許可』をもらえるのか?

A:許可の要件を欠く場合は、不許可となります。また、欠格事由や虚偽の記載等に該当する等の問題がある場合も不許可となります。(欠格事由に該当するかについて、他の行政機関に照会する場合もあるそうです。)

 

※許可とは、行政が国民に対して予め禁止している行為等を限定解除し認めることです。

 

Q:経営業務の管理責任者の要件は?

 A:国土交通省令で定める経営業務の管理責任者の基準は①の要件を満たす必要があります。

 

①:適切な経営能力を有すること

適切な経営能力を有するものとして、下記の イ又はロ,ハのいずれかの体制を有するものであること

 

イ:常勤役員等のうち一人が下記の1、2又は3のいずれかに該当する者であること。 

  1. 建設業に関し5年以上の経営業務の管理責任者としての経験を有する者
  2. 建設業に関し経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として5年以上経営業務を管理した経験を有する者(取締役会又は代表取締役から経営業務を執行する権限の委任を受けた者に限る。)
  3. 建設業に関し経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として6年以上経営業務の管理責任者を補助する業務に従事した経験を有する者

 

ロ:常勤役員等のうち一人が下記の1又は2のいずれかに該当する者であって、かつ当該常勤役員等を直接に補佐する者として、下記のA、B及びCに該当する者をそれぞれ置くものであること。 

  1. 建設業に関し,2年以上役員等としての経験を有し,かつ,5年以上役員等又は役員等に次ぐ職制上の地位にある者(財務管理,労務管理又は業務運営の業務を担当するものに限る。)としての経験を有する者
  2. 5年以上役員等としての経験を有し,かつ,建設業に関し,2年以上役員等としての経験を有する者

A :許可申請等を行う建設業者等において5年以上の財務管理の経験を有する者

B :許可申請等を行う建設業者等において5年以上の労務管理の経験を有する者

Ⅽ :許可申請等を行う建設業者等において5年以上の業務運営の経験を有する者

※A・B・Cは申請会社において一人が複数の経験を兼ねることが可能です。

 

ハ:国土交通大臣がイ又はロに掲げるものと同等以上の経営体制を有すると認定した者。(大臣許可を受けた方)

 

国土交通大臣認定制度については、国土交通省の下記のサイトをご参照ください。

建設業に関する外国での経験等を有する者の認定について(大臣認定)

 

 

 

Q:専任技術者の要件は?

A:建設業法では、専任技術者について一定の資格・学歴・実務経験を求めています。 

以下、①・②・③のいずれかに該当する方が専任技術者に該当します。

 

①一定の国家資格等を有する者

 

※一式工事と専門工事ともに業種別に必要資格が異なります。

 

宮城県建設業許可手引きの「技術職員資格区分コード表一覧表」にてご確認できます。

 

②許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して、下記のいずれかの実務経験等を有する者

 

  • 大学又は高等専門学校の指定学科を卒業した後、3年以上の実務経験を有する者
  • 高等学校又は中等教育学校の指定学科を卒業した後、5年以上の実務経験を有する者
  • 専修学校の専門士又は高度専門士を称するもので指定学科を卒業した後、 3年以上の実務経験を有する者
  • 専修学校の指定学科を卒業した後、5年以上の実務経験を有する者

 ※高校や大学等の指定学科を卒業し、実務について一定の期間を有する方が、専任技術者になり得ます。

 

指定学科についても、宮城県建設業手引き「技術者の資格(指定学科)表」にてご確認できます。

 

  • 10年以上の実務経験を有する者

 

※許可を受けようとする業種について、実務経験が10年以上ある方は、専任技術者になり得ます。

 

複数業種について一定期間以上の実務経験を有する者

※実務経験の要件緩和の規定について

この要件緩和規定は、一定の業種についてのみ適応が見込まれますので、ご留意ください。

 

こちらのリンクから参照できます。

国土交通省HP 複数業種に係る実務経験を有する者一覧

 

③その他:海外での工事実務経験を有する者で、当該経験の内容につき国土交通大臣の個別審査を受け、一般建設業の営業所専任技術者となり得るとしてその認定を受けた者

 

※国土交通大臣の認定を受けた者については、建設業認可申請をする前に大臣認定を受けている必要があります。

また、建設業許可の申請時に認定証を確認書類として提出する必要があります。

 

大臣の認定制度について詳しくは、こちらのリンクから参照できます。

国土交通省HP 建設業に関する外国での経験等を有する者の認定について

 

Q:適切な社会保険に加入が必要なのか?

 A:適切な社会保険に加入していることは、建設業許可取得の要件となります。

 

(施行規則)健康保険、厚生年金保険及び雇用保険に関し、全ての適用事業所又は適用事業について、適用事業所又は適用事業であることの届出を行った者であることが必要になります。

 

参考:建設業法施行規則第7条2号

 

Q:解体工事業の登録は必要なのか?

A:下記の建設業許可を有していない場合は,解体工事業の登録が必要となります。

『登録不要な建設業種』 ⇒ 建築一式工事業、土木一式工事業、解体工事業

 

 

※建設業法の改正に伴う解体工事業の申請に関する経過措置は終了しました。

令和元年(2019年)6月1日以降は、とび・土工・コンクリート工事業の建設業許可を受けた者であっても、解体工事を施工することはできません。